呼吸不全を伴い器質化肺炎を呈した肺クリプトコックス症の1例
嶋田 有里 伊東 友好 吉村聡一郎 曽根 莉彩 服部 剛士 稲田 祐也
関西電力病院呼吸器内科
症例は70歳男性.咳嗽を主訴に肺炎で入院,呼吸不全を認め,胸部CTで器質化肺炎を疑いプレドニゾロン(prednisolone)を開始した.血清クリプトコックス・ネオフォルマンス抗原陽性と判明,経気管支肺生検を行い器質化肺炎の所見を認めた.第13病日よりフルコナゾール(fluconazole:FLCZ)を開始,陰影が改善したためプレドニゾロンは第33病日で終了,フルコナゾールは第196病日で終了した.呼吸不全を伴い器質化肺炎を呈した肺クリプトコックス症はステロイドとともに抗真菌薬を投与することにより速やかに改善する可能性があるため報告する.
Received 22 Aug 2023 / Accepted 5 Jan 2024
嶋田 有里
〒553–0003 大阪府大阪市福島区福島2–1–7
関西電力病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(2): 64-68, 2024