診断から16年後に肺高血圧症で死亡した剥離性間質性肺炎の1剖検例
武知 寛樹a,b 倉石 博a 轟 有希a 小澤 亮太a 山本 学a 伊藤以知郎c
a日本赤十字社長野赤十字病院呼吸器内科
b佐久医療センター呼吸器内科
c日本赤十字社長野赤十字病院病理部
46歳男性.20年前より咳嗽が遷延化し,16年前に他院で施行した胸腔鏡下肺生検で剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia:DIP)と診断され,禁煙のうえで全身ステロイド治療を開始した.3年前より右心不全症状が出現し,20XX年に呼吸状態の悪化を認め当院に紹介となった.右心カテーテル検査で重度の肺高血圧症を認め,肺血管拡張薬や利尿薬に反応せず死亡した.剖検より死因は重度肺高血圧症に伴う右心不全と診断した.
Received 8 Sep 2023 / Accepted 1 Nov 2023
武知 寛樹
〒385–0051 長野県佐久市中込3400–28
佐久医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 13(2): 59-63, 2024