Pembrolizumabによる重症筋無力症様症状を伴う筋炎を発症した肺癌の1例
髙橋 輝一a 本津 茂人a 田崎 正人a 安東 孝記b 杉江 和馬b 室 繁郎a
a奈良県立医科大学呼吸器内科学講座
b同 脳神経内科学講座
症例は71歳の男性.PD-L1陽性の化学放射線療法後の再発非小細胞肺癌に対して,ペムブロリズマブ(pembrolizumab)初回投与3週間後に,複視と両下肢痛が出現し,精査の結果pembrolizumabによる重症筋無力症様症状を伴う筋炎と診断した.呼吸筋障害の合併を疑い経口ステロイド,免疫グロブリン静脈注射,血液浄化療法など複数の免疫抑制療法を早期から組み合わせることで重症化を予防し得た.
Received 7 Mar 2023 / Accepted 12 May 2023
髙橋 輝一
〒634–8521 奈良県橿原市四条町840
奈良県立医科大学呼吸器内科学講座
日呼吸誌, 12(4): 220-224, 2023