クローン病に合併したpleuroparenchymal fibroelastosisの1例
新田 祐子 山本 佳史 長 敬翁 大田 正秀 本津 茂人 室 繁郎
奈良県立医科大学呼吸器内科学講座
症例は47歳,男性.クローン病に対して10年間,メサラジン(mesalazine)とインフリキシマブ(infliximab)で加療されていた.発熱と咳嗽のため当科を受診し,胸部CTで両肺上葉容積減少,右肺尖部空洞影,両肺のすりガラス陰影・浸潤影を認めた.臨床所見と画像所見からpleuroparenchymal fibroelastosis(PPFE)と診断した.また気管支洗浄液でAspergillus fumigatusが培養され,慢性肺アスペルギルス症と診断した.クローン病はPPFEを含む肺病変を合併する可能性があり,免疫抑制治療中の感染症や薬剤性肺障害の発症にも注意が必要である.
クローン病 Pleuroparenchymal fibroelastosis(PPFE) 慢性肺アスペルギルス症
Received 17 Nov 2022 / Accepted 18 Apr 2023
新田 祐子
〒634–8521 奈良県橿原市四条町840
奈良県立医科大学呼吸器内科学講座
日呼吸誌, 12(4): 196-200, 2023