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日本呼吸器学会英文誌 Respiratory Investigation
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集

書誌情報

症例

脳室腹腔短絡術によりオシメルチニブ内服が可能となった肺癌髄膜癌腫症の1例

白羽 慶祐a 工藤健一郎a 藤原 慶一a 光宗  翔a 吉田 秀行b 柴山 卓夫a 

a独立行政法人国立病院機構岡山医療センター呼吸器内科
b同 脳神経外科

要旨

症例は82歳,女性.2017年6月に肺腺癌に対して右上葉切除術を施行し術後経過は良好だったが,2021年10月頃から意識状態が低下したため前医を受診した.頭部CTで水頭症を認め精査目的で当院紹介となった.髄液検査でTTF-1陽性の腺癌細胞を認め,肺癌術後再発による髄膜癌腫症と診断した.手術検体でEGFR遺伝子変異陽性であったが薬剤の内服が困難であったため,performance status改善を期待し脳室腹腔短絡術を施行した.術後内服可能になりオシメルチニブ(osimertinib)を開始した.髄膜癌腫症の診断から現在まで約9ヶ月増悪することなく生存している.

キーワード

髄膜癌腫症 水頭症 脳室腹腔短絡術 オシメルチニブ EGFR遺伝子変異 

Received 1 Oct 2022 / Accepted 6 Jan 2023
工藤 健一郎
〒701–1192 岡山県岡山市北区田益1711–1
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター呼吸器内科

日呼吸誌, 12(2): 93-97, 2023

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