日本呼吸器学会誌：バリシチニブ使用中に発症した肺クリプトコッカス症の1例

Vol.12 No.2 目次

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症例

バリシチニブ使用中に発症した肺クリプトコッカス症の1例

金子　佳右^a,b 金澤　　潤^b 斎藤　武文^b 南　　優子^c 鈴木慎太郎^a 相良　博典^a

^a昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学部門
^b国立病院機構茨城東病院胸部疾患・療育医療センター内科診療部呼吸器内科
^c同　病理診断科

要旨

症例は69歳男性．関節リウマチのため近医よりバリシチニブ（baricitinib）とサラゾスルファピリジン（salazosulfapyridine）で治療を受けていた．胸痛を自覚し，近医で胸部異常陰影を指摘され，精査加療目的で当院に入院した．胸部CTでは左下葉優位に結節影がみられ，気管支鏡検査にてCryptococcus neoformansを検出した．肺クリプトコッカス症と診断し，フルコナゾール（fluconazole：FCZ）投与を開始して症状・画像ともに改善した．JAK阻害薬は最近になり使用頻度が増している免疫抑制薬であるが，同感染症の報告は少なく，貴重な症例と考え報告する．

キーワード

肺クリプトコッカス症バリシチニブ Janus kinase（JAK）阻害薬生物学的製剤フルコナゾール

Received 7 Oct 2022 ／ Accepted 11 Jan 2023
金子　佳右
〒142–8666　東京都品川区旗の台1–5–8
昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学部門

日呼吸誌, 12(2): 88-92, 2023

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