肺Mycobacterium avium症を合併した先天性気管支閉鎖症の1手術例
尾下 豪人a 熊田 高志b 吉岡 宏治a 池上 靖彦a 宮原 栄治b 山岡 直樹a
a国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
症例は先天性気管支閉鎖症を指摘されていた26歳の女性.微熱で発症し,胸部CTでは左肺の過膨張領域内に粒状影,分岐状影を認め,抗MAC抗体が陽性だった.気管支洗浄液からは抗酸菌は検出されなかった.左肺上葉切除術を施行し,手術検体からMycobacterium aviumが検出された.先天性気管支閉鎖症は感染症合併に注意を要するが,経気道的な起炎菌検出が難しい.特に肺MAC症の合併が疑われる場合,確定診断と病勢のコントロールのために,外科的切除を治療選択肢に挙げるべきである.
先天性気管支閉鎖症 非結核性抗酸菌 Mycobacterium avium complex(MAC) 抗MAC抗体 肺切除
Received 29 Sep 2021 / Accepted 22 Nov 2021
尾下 豪人
〒730–0822 広島県広島市中区吉島東3–2–33
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(2): 78-81, 2022