感染後器質化肺炎に対するステロイド治療に関する検討
大西 康貴a,* 河村 哲治a 東野 貴徳b 小南 亮太a 竹野内政紀a 世利 佳滉a 井野 隆之a 塚本 宏壮a 佐々木 信a 中原 保治a
a独立行政法人国立病院機構姫路医療センター呼吸器内科
b同 放射線科
*新所属:城陽江尻病院内科(2022年4月~)
感染後器質化肺炎に対するステロイド治療に関する知見の集積を目的に,当院で診断した感染後器質化肺炎のうち,ステロイド治療を行った群11例と,非投与群11例について後方視的に比較検討を行った.両群ともに全例で1ヶ月後の改善が得られた.しかし,ステロイド群において診断時に多発陰影を認める割合が有意に高かったことから,より重症の症例に対してステロイドが投与された可能性もある.今後,このような経験的治療の成績を蓄積し,前向き研究で真のステロイド適応を決定する必要がある.
Received 28 Oct 2021 / Accepted 11 Jan 2022
大西 康貴
〒670–8520 兵庫県姫路市本町68
独立行政法人国立病院機構姫路医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 11(2): 54-62, 2022