気管支鏡迅速細胞診における判読トレーニングプログラムの構築およびその効果検証
田島 寛之a,b 石綿 司b 三枝 文恵c 笠井 大b 寺田 二郎a,b 塩谷 優a 鹿野 幸平b 巽 浩一郎b 池田純一郎d 鈴木 拓児b
a国際医療福祉大学成田病院呼吸器内科
b千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
c千葉大学医学部附属病院内視鏡センター
d千葉大学大学院医学研究院診断病理学
気管支鏡迅速細胞診を呼吸器科医が自ら判読できる可能性が指摘されているが,確立されたトレーニング手法はない.千葉大学医学部附属病院の迅速細胞診判読トレーニングを受講した呼吸器科医15人に,トレーニングに関するアンケート,テストによる効果検証を行った.その結果,トレーニング前後で判読の成績が向上した.トレーニングの満足度は高く,判読の自信も向上した.呼吸器科医は迅速細胞診判読に関心がある一方,判読する自信は低いことが示唆された.本トレーニングは呼吸器科医の迅速細胞診に対する学習意欲や精度の向上に有用である.
Received 22 Sep 2021 / Accepted 28 Dec 2021
田島 寛之
〒260–8670 千葉県千葉市中央区亥鼻1–8–1
千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
日呼吸誌, 11(2): 45-53, 2022