男性に発症したLöfgren症候群の1例:Löfgren症候群における性差
児玉 秀治 吉田 正道 伊藤 稔之 後藤 広樹 寺島 俊和 藤原 篤司
三重県立総合医療センター呼吸器内科
46歳男性.発熱と関節痛,末梢神経障害の精査加療目的に当科を紹介受診した.両側肺門リンパ節腫大あり,超音波気管支鏡ガイド下針生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)を施行したところ,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.関節痛を伴うが結節性紅斑はなく,Löfgren症候群variant formおよびsmall fiber neuropathyと診断した.Löfgren症候群は,北欧ではサルコイドーシスの20~30%を占め,約70%が女性である.医学中央雑誌で検索した限り,わが国の報告例は37例で男性は8例と少ない.本例も含め集計した結果,結節性紅斑を伴わないvariant formや発熱を伴うことが男性の特徴と考えられた.
Löfgren症候群 急性サルコイドーシス Variant form 神経サルコイドーシス Small fiber neuropathy(SFN)
Received 19 Feb 2021 / Accepted 25 Oct 2021
児玉 秀治
〒510–8561 三重県四日市市大字日永5450–132
三重県立総合医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 11(1): 25-30, 2022