結節性硬化症に伴う多巣性微小結節性肺細胞過形成の経過観察中に巨大ブラが生じた1例
清水ゆかり 川口 紘矢 丸山 広高 山根 宏美 安道 誠 伊藤 清隆
熊本労災病院呼吸器内科
症例は31歳,女性.両肺に多発結節影と右肺に嚢胞を認め,CTガイド下肺生検により結節影は多巣性微小結節性肺細胞過形成(multifocal micronodular pneumocyte hyperplasia:MMPH)と判明し,結節性硬化症(tuberous sclerosis complex:TSC)の診断に至った.その後嚢胞が巨大化し,ブラ切除術を行い,MMPHに伴うチェックバルブ機構により生じた巨大ブラと診断した.MMPHが肺巨大ブラ形成に関与した報告はなく貴重な症例として報告する.
結節性硬化症 多巣性微小結節性肺細胞過形成 チェックバルブ機構
Received 14 Jun 2021 / Accepted 23 Aug 2021
清水 ゆかり
〒866–8533 熊本県八代市竹原町1670
熊本労災病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(6): 499-502, 2021