医薬品添加剤による薬剤性肺炎が疑われた1例
横浜市立みなと赤十字病院呼吸器内科
症例は65歳の男性.胸部CTで両肺下葉にすりガラス影が出現し,当科に紹介となった.新たに開始されていたアスピリン/ランソプラゾール(aspirin/lansoprazole)配合錠を中止しアスピリン錠へ変更すると陰影は速やかに消退した.アスピリン/ランソプラゾール配合錠,アスピリン錠,ランソプラゾール錠の各々に対する薬剤誘発性リンパ球刺激試験では,配合錠にのみ反応があった.以上より配合錠の添加剤により誘起された薬剤性肺炎を疑った.添加剤により発症した薬剤性肺炎の報告は少なく貴重な症例であるため,報告する.
Received 23 Jun 2021 / Accepted 30 Aug 2021
本田 樹里
〒231–8682 神奈川県横浜市中区新山下3–12–1
横浜市立みなと赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(6): 482-486, 2021