重症新型コロナウイルス感染症肺炎にCOVID-19関連肺アスペルギルス症を発症した1例
北九州市立八幡病院呼吸器内科
症例は76歳,男性.新型コロナウイルス感染症肺炎加療目的に入院.呼吸不全が進行し,人工呼吸器管理を開始した.第14病日の胸部CTでは新規腫瘤状浸潤影が出現し,喀痰からAspergillus fumigatusが検出されたため,Coronavirus disease 2019(COVID-19)関連肺アスペルギルス症(COVID-19-associated pulmonary aspergillosis:CAPA)を発症したと判断.抗真菌薬による治療を開始したが,第43病日に死亡した.重症COVID-19肺炎ではCAPA発症を念頭に置く必要がある.
新型コロナウイルス感染症 COVID-19関連肺アスペルギルス症 侵襲性肺アスペルギルス症
Received 3 Jun 2021 / Accepted 21 Sep 2021
星野 鉄兵
〒805–8534 福岡県北九州市八幡東区尾倉2–6–2
北九州市立八幡病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(6): 472-476, 2021