
抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎に合併した急速進行性間質性肺炎の1例
野村 晃生a 濵井 宏介b 小林 弘樹c 谷本 琢也b 前田 裕行d 石川 暢久b
a広島大学呼吸器内科
b県立広島病院呼吸器内科
c広島大学リウマチ・膠原病科
d県立広島病院リウマチ科
症例は72歳女性,抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎に対してステロイド内服加療中に,呼吸困難をきたし救急搬送された.来院時胸部造影CTで両肺にすりガラス影を認め,筋炎に合併した急速進行性間質性肺炎が考えられた.ステロイドパルス療法,抗菌薬投与に加えネーザルハイフローでの呼吸管理を行ったが呼吸状態は悪化し,人工呼吸管理を要した.その後シクロホスファミド(cyclophosphamide)パルス療法を併用したが改善せず,第31病日に死亡した.抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎に急速進行性間質性肺炎を合併した報告はなく,貴重な症例と考えられた.
抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎 急速進行性間質性肺炎 ステロイドパルス療法 シクロホスファミドパルス療法
Received 25 Jan 2021 / Accepted 25 May 2021
濵井 宏介
〒734–8530 広島県広島市南区宇品神田1–5–54
県立広島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(4): 358-362, 2021