胸水貯留を契機に発見された肋骨原発骨肉腫の1例
平田 慎治 迫田 頼武 有村 豪修 高倉 孝二 上野 正克 水田 佑一
社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院呼吸器内科
症例は79歳女性.生来健康であった.労作時の動悸,息切れ,湿性咳嗽を主訴に近医を受診し,右大量胸水を指摘され,当科に紹介受診となった.胸部単純CTで右胸膜肥厚を伴う胸水,多発肺結節,縦隔リンパ節腫大,右肋骨腫瘤があり,肺癌などの悪性腫瘍が疑われた.胸水細胞診で確定診断に至らず,外科生検で肋骨原発骨肉腫と診断された.肋骨原発骨肉腫は比較的稀な疾患であり,本症例のように胸水貯留を契機に発見した報告は少なく貴重な症例と考えられた.
Received 6 Sep 2020 / Accepted 12 Jan 2021
平田 慎治
〒830–8543 福岡県久留米市津福本町422
社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(3): 304-308, 2021