紙巻きタバコから加熱式タバコに変更後に肺障害を呈した1例
村上 昇太a 佐々木 寿b 山家 充起a 小林 聖a 三村 敬司b 上部 泰秀b
a自衛隊中央病院第一内科
b同 呼吸器内科
症例は42歳男性.20XX年から加熱式タバコの吸入を開始し,一時的に吸入量が増加していた.20XX年2月末に発熱,呼吸困難を認め,3日後に他院受診し,CTにて両側すりガラス様陰影や浸潤影を認め入院となった.抗菌薬投与等で改善を認めたが,陰影が残存し,精査目的で再度当科に入院した.末梢血好酸球数が1,706/μLと増多を示した.気管支肺胞洗浄液中のリンパ球,好酸球分画はそれぞれ70%,2%であり,経気管支肺生検では肺胞隔壁にリンパ球主体の炎症細胞浸潤を認めた.これらの結果から加熱式タバコによる肺障害と診断した.
Received 8 May 2020 / Accepted 4 Dec 2020
佐々木 寿
〒154–8532 東京都世田谷区池尻1–2–24
自衛隊中央病院第一内科
日呼吸誌, 10(2): 197-201, 2021