誤嚥性肺炎患者の積極的治療撤退例と継続例の比較
山口 美保 成本 治 塚田 梓 小岩 智大 鈴木 純子 永井 英明 松井 弘稔
国立病院機構東京病院呼吸器センター
成人肺炎診療ガイドライン(2017年版)において誤嚥性肺炎には終末期の患者が含まれるが,患者の積極的治療の撤退について言及した報告は少ない.2017年度に当院を退院し,診断群分類(DPC)主病名が誤嚥性肺炎で,主治医がその後の誤嚥性肺炎に対する治療撤退を考慮した28例を後方視的に検討した.治療撤退群は治療継続群に比べ,有意に高齢(p=0.024)で,在院日数が短く(p=0.019),生存期間が短かった(p<0.01)が,希望する入院前の環境へ早期に退院可能であった(p=0.02).
Received 19 May 2020 / Accepted 6 Aug 2020
山口 美保
〒204–8585 東京都清瀬市竹丘3–1–1
国立病院機構東京病院呼吸器センター
日呼吸誌, 9(6): 419-424, 2020