浸潤型胸腺腫に合併したgraft-versus-host disease様皮疹に化学療法が奏効した1例
福代 有希a 高山 裕介a 三島 祥平a 益田 健a 庄田 浩康a 岩本 康男b
a広島市立広島市民病院呼吸器内科
b同 腫瘍内科
症例は74歳,女性.胸腺腫の術後に再発し胸腺腫の病勢進行とともに原因不明の皮疹が増悪した.皮膚生検を行いGVHD類似反応が得られ,thymoma-associated multiorgan autoimmunity(TAMA)と診断した.TAMAは胸腺腫の腫瘍随伴症候群として近年報告が散見されるようになった稀な疾患である.本疾患は予後不良とされるが確立した治療法がない.今回我々はTAMAと診断し,胸腺腫に対する根本的治療として化学療法を施行し,皮膚症状が軽快した1例を経験したので報告する.
Thymoma-associated multiorgan autoimmunity(TAMA) 胸腺腫 腫瘍随伴症候群 移植片対宿主病 乾癬様皮疹
Received 3 Mar 2020 / Accepted 13 May 2020
福代 有希
〒730–8518 広島県広島市中区基町7–33
広島市立広島市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(5): 325-329, 2020