14年間保存された肺葉切除検体でROS1融合遺伝子陽性が証明された肺腺癌の1例
西山 聖也a 能勢 直弘b,c 富田 雅樹c 中村 都英c 藤田 良佑a 山口 哲朗a
a宮崎県立延岡病院内科
b同 呼吸器外科
c宮崎大学医学部外科学講座
ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺癌に対してクリゾチニブ(crizotinib)が承認され,RT-PCR法を原理としたROS1融合遺伝子検出キットが承認されている.解析試料のRNAは保存期間が長期に及ぶと分解が進むことが多いため,できるだけ新鮮な検体を用いることが推奨されている.今回,我々は皮膚生検病変からROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺癌の転移と診断された症例で,14年前に行われた肺癌手術検体を用いてROS1融合遺伝子陽性を証明できた症例を経験したので報告する.
Received 7 Dec 2019 / Accepted 14 Feb 2020
西山 聖也
〒882–0835 宮崎県延岡市新小路2–1–10
宮崎県立延岡病院内科
日呼吸誌, 9(3): 187-190, 2020