
インフルエンザウイルスA型罹患後に器質化肺炎を発症し病理学的に診断した1例
福田 滉仁a 四方田真紀子a 橋本 佳奈a 細見 幸生a 比島 恒和b 岡村 樹a
aがん・感染症センター東京都立駒込病院呼吸器内科
b同 病理科
多発性骨髄腫に対する治療中にインフルエンザウイルスA型に罹患し,その後器質化肺炎をきたした1例を経験した.症例は65歳,男性.インフルエンザ診断時に,細菌性肺炎の合併を疑い抗菌薬を投与したが,両側浸潤影を伴う呼吸不全が進行したため気管支鏡検査を行い病理学的に器質化肺炎と診断した.インフルエンザウイルス罹患後に器質化肺炎と診断された報告はあるが,画像や診断的治療により診断された症例も多い.本症例は病理学的にインフルエンザウイルス感染後の器質化肺炎を診断し,治療したため報告する.
Received 26 Jul 2019 / Accepted 16 Oct 2019
四方田 真紀子
〒113–0021 東京都文京区本駒込3–18–22
がん・感染症センター東京都立駒込病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(1): 53-56, 2020