ネオシーダーによって再燃した肺ランゲルハンス細胞組織球症の1例
高野 峻一a 橘 和延a,b 榎本 貴俊a 足立 雄一a 東 浩志a 井上 義一b
a国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科
b国立病院機構近畿中央呼吸器センター臨床研究センター
51歳,女性.胸部単純X線検査で両側肺野に一部空洞を伴う多発結節影を認め,当院紹介受診となった.胸腔鏡下手術による肺生検と全身精査により肺ランゲルハンス細胞組織球症と診断した.禁煙により多発結節影が軽減したが,ネオシーダーの吸入により多発結節影が再燃した.ネオシーダーの吸入を中止したところ,肺野の多発結節影は再度軽減した.ネオシーダーが喫煙関連疾患を悪化させた報告はこれまで認められていない.紙巻きタバコと同成分が含まれているという報告があり,共通の成分が肺ランゲルハンス細胞組織球症の増悪に関与していると推測された.
Received 1 Aug 2019 / Accepted 1 Oct 2019
高野 峻一
〒591–8555 大阪府堺市北区長曽根町1180
国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科
日呼吸誌, 9(1): 43-47, 2020