化膿性脊椎炎から膿胸に至った関節リウマチ患者の1剖検症例
杉山 陽介a 東 浩志a 鮫島有美子a 高田 哲男a 閔 庚燁a 宋 美紗b
a市立伊丹病院呼吸器内科
b同 病理診断科
症例は76歳男性.関節リウマチにて他院通院中に腰痛が増悪し,体動困難となったため当院を受診した.胸腹部CTで胸腰椎破壊像と右胸水貯留を認めた.胸水穿刺結果から右膿胸と診断した.脊椎MRIでTh12,L1にT2強調像で高信号病変を認め,化膿性脊椎炎と診断した.右胸腔へトロッカーカテーテルを挿入し,抗菌薬治療を行ったが病状は悪化し死亡した.剖検で化膿性脊椎炎病変部から右胸腔への炎症の進展を認めた.免疫不全状態の患者において,滲出性胸水や膿胸に背部痛を伴う場合は,化膿性脊椎炎からの進展の可能性に注意する必要がある.
Received 8 Aug 2019 / Accepted 16 Oct 2019
閔 庚燁
〒664–8540 兵庫県伊丹市昆陽池100–1
市立伊丹病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(1): 33-37, 2020