喘息発作に対するステロイド療法により侵襲性に変化した慢性肺アスペルギルス症の1例
NTT東日本札幌病院呼吸器内科
73歳,男性.肺放線菌症の加療中に遺残空洞と好酸球増多を認めた.治療8ヶ月後に喘鳴,呼吸困難が出現し,CTで空洞壁肥厚と気管支内粘液栓を認め,喀痰でAspergillus fumigatusが陽性であった.アレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断し,ステロイド療法を行った.第8病日に侵襲性肺アスペルギルス症を発症したが,抗真菌薬の多剤併用療法により改善した.遺残空洞の慢性肺アスペルギルス症からアレルギー性気管支肺アスペルギルス症を発症し,ステロイド療法を契機に侵襲性肺アスペルギルス症に進行したと考えた.
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 侵襲性肺アスペルギルス症 ステロイド 抗真菌薬治療 メポリズマブ
Received 25 Feb 2019 / Accepted 12 Sep 2019
髙橋 晴香
〒060–0061 北海道札幌市中央区南1条西15丁目
NTT東日本札幌病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(1): 13-17, 2020