気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患への吸入療法に影響を及ぼす因子に関する後方視的解析
角和 珠妃 飯倉 元保 平嶋 純子 鈴木 学 泉 信有 杉山 温人
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
閉塞性肺疾患患者に対する院外薬剤師の吸入指導における吸入手技の習熟度と患者背景の相関,吸入指導日から初回増悪までの期間を後方視的に検討した.吸入習熟度と患者背景の相関は喫煙指数で中等度に,70歳以上,併存疾患数,総デバイス数で低く認めた.群間比較は男性,慢性閉塞性肺疾患,Karnofsky PSが70点以下の群で習熟度が低かった.初回増悪までの期間へ各背景因子を検定すると,女性(p=0.01),喫煙指数が450未満(p=0.04)で有意に短かった.手技の習熟は必ずしも増悪エピソードへ寄与しなかった.
Received 17 Jun 2019 / Accepted 25 Sep 2019
角和 珠妃
〒162–8655 東京都新宿区戸山1–21–1
国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(1): 5-12, 2020