ペグフィルグラスチムによる薬剤誘発性血管炎を発症した肺腺癌の1例
楢﨑 唯 高山 裕介 小林英里佳 中村 貴志 益田 健 庄田 浩康
広島市立広島市民病院呼吸器・腫瘍内科
症例は80歳,女性.進行肺癌の4次治療としてカルボプラチン(carboplatin)+エトポシド(etoposide)を開始した.1コース目で発熱性好中球減少症を認めレノグラスチム(lenograstim)を投与した.2コース目でペグフィルグラスチム(pegfilgrastim)を投与したところ発熱や頸部痛を認め,画像検査より大型血管炎が疑われた.同薬剤による薬剤誘発性血管炎と診断し,プレドニゾロン(prednisolone)投与で改善を認めた.ペグフィルグラスチム投与後に不明熱を認めた場合には,薬剤誘発性血管炎も鑑別に挙げるべきである.
肺癌 発熱性好中球減少症 ペグフィルグラスチム 薬剤誘発性血管炎
Received 21 Mar 2019 / Accepted 21 Jun 2019
楢﨑 唯
〒730–8518 広島県広島市中区基町7–33
広島市立広島市民病院呼吸器・腫瘍内科
日呼吸誌, 8(5): 344-348, 2019