
百日咳後の胃食道逆流によって声帯白板症をきたした1例
尾下 豪人 伊藤 徳明 妹尾 美里 船石 邦彦 川﨑 広平 奥崎 健
三原市医師会病院内科
35歳男性.発作性の咳嗽,嗄声,発熱にて発症し,百日咳抗体が高値であることから咳嗽の原因として百日咳が強く疑われた.マクロライド系抗菌薬の投与後も嘔吐を伴う咳嗽が遷延し,microaspirationによる肺炎も合併した.気管支鏡検査時に左声帯の白板症および萎縮があり,声門閉鎖不全を認めた.激しい咳嗽と胃酸逆流の悪循環によって声帯病変をきたしたと考えられた.胃食道逆流症への治療によって症状の改善と声帯病変の消失を認めた.
Received 10 May 2019 / Accepted 18 Jun 2019
尾下 豪人
〒723–0051 広島県三原市宮浦1–15–1
三原市医師会病院内科
日呼吸誌, 8(5): 340-343, 2019