在日中国人に発症したウエステルマン肺吸虫症の1例
a東住吉森本病院呼吸器内科
b大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器内科学
26歳中国籍の男性.2ヶ月前より続く咳嗽と血痰を主訴に来院.2年前に右気胸の既往があった.来院時,胸部CTにて空洞を伴う多発肺結節影を認め肺結核を疑ったが,気管支洗浄液からウエステルマン肺吸虫の虫卵を認め診断に至った.問診で気胸発症以前にサワガニの生食歴が確認された.プラジカンテル(praziquantel)内服後,症状および画像所見の改善を認めた.今後も在日外国人が増加するなかで,食習慣の違いにより生じる感染症にも留意することが重要である.
Received 10 Feb 2019 / Accepted 12 Jun 2019
松井 秀記
〒546–0014 大阪府大阪市東住吉区鷹合3–2–66
東住吉森本病院呼吸器内科
日呼吸誌, 8(5): 327-331, 2019