ニボルマブが奏効した進行肺癌と食道癌の同時性重複癌の1例
窪田 幸司a 水野 圭子b 安田 俊介a 福田 宏正a 井上 博雅b
a公益社団法人鹿児島共済会南風病院呼吸器内科
b鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学
症例は69歳,男性.左肺扁平上皮癌stage ⅢBと胸部中部食道扁平上皮癌の同時性重複癌と診断し,化学療法を継続したが,病状は徐々に進行.6次治療ではあったが,performance status(PS)が良好であったので,ニボルマブ(nivolumab)投与を開始したところ,pseudoprogressionを経て肺癌と食道癌はいずれも縮小した.免疫チェックポイント阻害剤が奏効した同時性重複癌の報告は稀であり報告する.
ニボルマブ 重複癌 肺癌 免疫チェックポイント阻害剤 Pseudoprogression
Received 13 Mar 2019 / Accepted 7 May 2019
水野 圭子
〒890–8520 鹿児島県鹿児島市桜ケ丘8–35–1
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学
日呼吸誌, 8(4): 273-277, 2019