肺腺癌の腫瘍再生検の方法として骨髄生検が有効であった1例
鄭 慶鎬a 三神 直人a 相子 寛子b 山本 昌樹a 工藤 誠a 金子 猛c
a横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター
b横浜労災病院呼吸器内科
c横浜市立大学大学院医学研究科呼吸器病学
症例は70歳男性.肺腺癌cT4N2M1b(多発骨転移)Stage Ⅳ EGFR遺伝子変異陽性(exon19欠失)に対して1次化学療法ゲフィチニブ(gefitinib)が開始されたが,治療経過途中より骨転移巣の増大がみられ再生検の方針となった.気管支鏡検査による左肺原発巣の再生検では悪性所見が得られず,後に施行した右腸骨転移巣への骨髄生検でEGFR T790M遺伝子変異陽性が確認された.本症例を通し,骨髄生検が骨転移巣を有する肺癌に対する再生検の手段として有効であると考えられたため報告した.
Received 30 Oct 2018 / Accepted 25 Feb 2019
工藤 誠
〒232–0042 神奈川県横浜市南区浦舟町4–57
横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター
日呼吸誌, 8(3): 163-166, 2019