胸腔鏡下胸膜生検にて診断に至ったウエステルマン肺吸虫症の1例
須藤 成人a,b 原 悠c 山口 展弘b 工藤 誠a 金子 猛c
a横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター内科
b横須賀市立市民病院呼吸器内科
c横浜市立大学大学院医学研究科呼吸器病学
症例は47歳女性.1ヶ月前から続く咳嗽,血痰を主訴に前医を受診,胸部CTで左肺門部の結節影を認め,横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター内科に紹介となった.FDG-PETではSUVmax 3.1の集積を認め,肺癌を疑い気管支鏡検査を施行するも診断には至らず,陰影は自然消失した.当科受診3ヶ月後には左胸水が出現し,確定診断目的で胸腔鏡下胸膜生検を施行したところ,病理組織にてウエステルマン肺吸虫の虫卵を認めた.診断後プラジカンテル(praziquantel)を投与し左胸水は減少し,2年の経過で再発はない.胸膜生検にてウエステルマン肺吸虫症の診断に至った報告例は希少である.
Received 5 Oct 2018 / Accepted 7 Dec 2018
須藤 成人
〒232–0024 神奈川県横浜市南区浦舟町4–57
横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器病センター内科
日呼吸誌, 8(2): 108-112, 2019