手掌・足蹠の皮疹を契機に胸腺腫が判明したBazex症候群の1例
川井 隆広 林 康之 恒石 鉄兵 橋本 教正 岩坪 重彰 西村 尚志
京都桂病院呼吸器センター呼吸器内科
症例は62歳男性.20XX-1年12月頃より乾性咳嗽を認めた.20XX年2月頃に手掌・足蹠に皮疹を認め当院皮膚科を受診した.急性発症の乾癬様皮疹から悪性腫瘍のデルマドロームの一つであるBazex症候群が疑われた.また,胸部造影CTで胸腺腫瘍が疑われた.胸腔鏡下縦隔腫瘍生検術を施行し,胸腺腫WHO分類type B2,正岡病期分類Ⅳa期と診断された.化学放射線治療を施行し,乾癬様皮疹は著明に改善した.その後,皮疹の再燃や胸腺腫の増悪は認めなかったが細菌性肺炎を発症した.広域抗生剤で治療を行ったが改善せず,死亡した.
Received 19 Jun 2018 / Accepted 13 Sep 2018
川井 隆広
〒615–8256 京都府京都市西京区山田平尾町17
京都桂病院呼吸器センター呼吸器内科
日呼吸誌, 8(1): 67-71, 2019