アセトアミノフェンによる薬剤性好酸球性肺炎の1例
上田 宰a 新屋 智之a 内田 由佳a 木村 英晴b 笠原 寿郎b 北 俊之a
a国立病院機構金沢医療センター呼吸器内科
b金沢大学附属病院呼吸器内科
アセトアミノフェン(acetaminophen)は好酸球性肺炎を引き起こす可能性がある.症例は79歳,女性.アセトアミノフェンを含有する総合感冒薬を内服後に呼吸困難を自覚した.胸部CTで両側の肺野に多発性のすりガラス斑状影を認め,末梢血および気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多,薬剤の投与歴,過去の薬剤性肺障害に関する報告例からアセトアミノフェンによる薬剤性好酸球性肺炎と診断した.被疑薬の中止とステロイド投与により速やかな改善を認めた.アセトアミノフェンは使用頻度の高い薬剤であるため,肺障害に関する報告例の集積はきわめて重要である.
Received 16 Jul 2018 / Accepted 5 Oct 2018
新屋 智之
〒920–8650 石川県金沢市下石引町1–1
国立病院機構金沢医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 8(1): 42-46, 2019