
アトルバスタチンやモンテルカストによる薬剤性肺炎が疑われた1例
矢田 秀雄a 澤井 豊光a 古賀 哲a 吉岡寿麻子a 松尾 信子a 迎 寛b
a長崎みなとメディカルセンター呼吸器内科
b長崎大学病院第二内科 呼吸器内科
症例は76歳,非喫煙者の女性.アトルバスタチン(atorvastatin)の内服を開始し1年6ヶ月後に咳嗽が出現したためモンテルカスト(montelukast)の内服が開始された.その後,咳嗽は軽快したが5ヶ月後に両側中肺野の浸潤影を指摘され,当科を紹介受診となった.気管支肺胞洗浄にてリンパ球増多が認められ,経気管支肺生検では器質化肺炎が認められたため,メチルプレドニゾロン(methylprednisolone)500mg/日を開始した.その後,薬剤リンパ球刺激試験の結果,モンテルカストとアトルバスタチンが陽性であったことから,これらの薬剤のいずれか,あるいは両者による薬剤性肺炎が疑われた.
薬剤性肺炎 モンテルカスト アトルバスタチン Statin-induced lung injury(SILI)
Received 18 Jan 2018 / Accepted 11 Sep 2018
澤井 豊光
〒850–8555 長崎県長崎市新地町6–39
長崎みなとメディカルセンター呼吸器内科
日呼吸誌, 8(1): 36-41, 2019