ペムブロリズマブが奏効した全身状態不良の高齢者肺腺癌の1例
上田 宰a 新屋 智之a 内田 由佳a 木村 英晴b 笠原 寿郎b 北 俊之a
a国立病院機構金沢医療センター呼吸器内科
b金沢大学附属病院呼吸器内科
症例は86歳,女性.骨転移による癌性疼痛で入院し,肺腺癌,cT2bN1M1c(OSS),stage ⅣB,ドライバー遺伝子変異なし,PD-L1発現率90~100%と診断された.Performance status(PS)は3であったが,強い治療希望があり,骨転移巣への姑息的照射後にペムブロリズマブ(pembrolizumab)を5サイクル実施した.部分奏効を得て,癌性疼痛は消失した.PS不良患者のペムブロリズマブ奏効例は貴重であり,治療機会を逸しないために治療対象を選別するためのバイオマーカーの確立が望まれる.
ペムブロリズマブ 肺腺癌 Performance status(PS)不良 PD-L1高発現
Received 9 Aug 2018 / Accepted 30 Oct 2018
新屋 智之
〒920–8650 石川県金沢市下石引町1–1
国立病院機構金沢医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 8(1): 26-30, 2019