下気道中枢部を主座としPET/CTが診断に有効であった再発性多発軟骨炎の1例
小山 響子a 五十嵐 朗b 佐藤 正道b 東海林佳兼b 井上 純人b 渡辺 昌文b
a山形大学医学部附属病院卒後臨床研修センター
b山形大学医学部内科学第一(循環・呼吸・腎臓内科)講座
症例は50代女性.約1ヶ月続く発熱,咳嗽,炎症反応高値の精査のため入院した.PET/CTで肥厚した気管気管支壁に強いFDGの集積を認めた.Damianiの診断基準を満たし,再発性多発軟骨炎と診断した.副腎皮質ステロイド内服により症状の改善と気管気管支の壁肥厚の軽減を認めた.本症例のように,下気道中枢部を病変の主座とする再発性多発軟骨炎の報告はきわめて稀であり,画像上,気管気管支の壁肥厚を認める症例では,再発性多発軟骨炎を鑑別に挙げ,早期診断,早期治療につなげることが重要と考えられた.
再発性多発軟骨炎 Positron emission tomography/computed tomography(PET/CT)
Received 5 Mar 2018 / Accepted 31 Jul 2018
五十嵐 朗
〒990–9585 山形県山形市飯田西2–2–2
山形大学医学部内科学第一(循環・呼吸・腎臓内科)講座
日呼吸誌, 7(6): 404-408, 2018