ニボルマブによるリウマチ性多発筋痛症を生じ,休薬後も抗腫瘍効果を得た肺腺癌の1例
村山 恒峻a 福永健太郎a 平山 陽子b 入山 朋子a 加藤 悠人a 中野 恭幸a
a滋賀医科大学内科学講座呼吸器内科
b市立長浜病院呼吸器内科
症例は71歳,男性.肺腺癌cT1aN0M1b(PUL,LYM)Stage Ⅳに対し,11次療法としてニボルマブ(nivolumab)にて加療中であった.12コース投与した後にリウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)を発症した.免疫関連有害事象と考えてニボルマブを中止し,ステロイドによる加療を行った.症状の軽快後もニボルマブは再開せずに経過観察を行ったが,1年にわたり腫瘍が増大することなく経過した.ニボルマブによるPMRの発症は良好な抗腫瘍効果に関連している可能性がある.
Received 4 Mar 2018 / Accepted 22 Aug 2018
福永 健太郎
〒520–2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学内科学講座呼吸器内科
日呼吸誌, 7(6): 394-398, 2018