塵肺に合併した線香煙による過敏性肺炎の1例
渡邉かおるa 赤司 俊介a 赤川志のぶa 比嘉 克行a 木谷 匡志b 田村 厚久a
a国立病院機構東京病院呼吸器センター
b同 病理診断科
症例は塵肺の76歳男性.1年前から肺陰影と咳が増強し,器質化病変と判断されステロイド等で治療されていたが,短期のうちに肺炎による入退院を繰り返すようになった.過敏性肺炎を疑い,自宅調査で原因と推測した線香煙で曝露試験を行ったところ陽性と判明した.原因抗原除去後,肺陰影は著明に改善し,ステロイドを減量しても再燃はない.線香煙原因の過敏性肺炎としては初めての報告となるが,見過ごされている可能性もあり,改めて環境調査の重要性が認識された.
Received 13 Jun 2018 / Accepted 8 Aug 2018
渡邉 かおる
〒204–8585 東京都清瀬市竹丘3–1–1
国立病院機構東京病院呼吸器センター
日呼吸誌, 7(6): 389-393, 2018