急激な経過を呈したPVL産生MSSAによる重症市中肺炎の1例
社会医療法人友愛会豊見城中央病院呼吸器内科
Panton-Valentine leukocidin(PVL)産生メチシリン感性黄色ブドウ球菌(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus:MSSA)による重症市中肺炎を経験した.症例は55歳男性,受診前日からの呼吸困難を主訴に救急外来を受診,直ちに挿管管理となった.胸部X線写真にて左肺野全体に透過性低下,血性喀痰のグラム染色でクラスターを形成したグラム陽性球菌を多数認め,ブドウ球菌による市中肺炎と診断した.速やかに抗菌薬投与を開始したが,来院から約8時間で永眠された.後日血液・喀痰培養からMSSAが検出され,PVL産生CA-MSSAと判明した.
Received 16 Oct 2017 / Accepted 13 Apr 2018
佐藤 陽子
〒901–0243 沖縄県豊見城市字上田25番地
社会医療法人友愛会豊見城中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(4): 250-254, 2018