婦人科悪性腫瘍を合併した抗ARS抗体陽性間質性肺炎の3例
横井 英人a 春田 由貴b 和田裕紀子b 伊藤 浩b 町田 和彦b 松尾 正樹b
a名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科
b労働者健康安全機構中部労災病院呼吸器内科
症例は,抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体陽性の間質性肺炎の3例.悪性腫瘍のスクリーニングで,2例は子宮頸癌,1例は子宮体癌の合併が認められた.全例,間質性肺炎の治療経過は良好であったが,1例は悪性腫瘍の進行のため死亡した.これまで,抗ARS抗体は悪性腫瘍の合併が多いとはされていないが,明確な見解は定まっていない.今回,単施設で短期間に婦人科腫瘍を合併した抗ARS抗体陽性の間質性肺炎を3例経験したため報告する.
抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体 間質性肺炎 悪性腫瘍 婦人科腫瘍
Received 6 Nov 2017 / Accepted 28 Mar 2018
横井 英人
〒466–8560 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65
名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 7(4): 229-233, 2018