脊髄炎,感覚性軸索型ニューロパチーを呈した傍腫瘍性神経症候群の1例
土屋純一郎a 田中 寿志a 當麻 景章a 中村 琢洋b 髙梨 信吾c 田坂 定智a
a弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座
b同 脳神経内科学講座
c弘前大学保健管理センター
73歳,女性.20XX年9月下旬,胸部X線写真で左肺に異常陰影を指摘された.10月上旬に急激な下肢脱力を自覚し,歩行不能となり当院初診となった.脳脊髄のMRIで異常信号を認めず,経気管支生検により小細胞肺癌と診断した.神経学的所見および末梢神経伝導速度検査から脊髄炎,感覚性軸索型ニューロパチーを認め,傍腫瘍性神経症候群と診断した.化学放射線療法後に肺腫瘍は縮小し,神経症状も改善し,杖歩行が可能となった.血清学的に抗CV-2抗体,抗SOX-1抗体が陽性であったが,化学放射線療法後に陰性化した.
小細胞肺癌 傍腫瘍性神経症候群 抗CV-2抗体 抗SOX-1抗体
Received 8 Dec 2017 / Accepted 19 Mar 2018
田坂 定智
〒036–8562 青森県弘前市在府町5
弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座
日呼吸誌, 7(4): 212-215, 2018