成人における4価インフルエンザ不活化スプリットワクチンの免疫原性と安全性の検討
渡邉 直昭a 大島 信治a 永井 英明a 加藤 貴史a 齋藤美奈子a 五十嵐彩夏b 鈴川 真穂b 川島 正裕a 浅里 功b 松井 弘稔a
a国立病院機構東京病院呼吸器センター
b国立病院機構東京病院臨床検査部
2015/2016年シーズンより4価インフルエンザワクチンに切り替わった.新たなワクチンの導入に際し,その免疫原性と安全性について前向きに検討した.結果は4価ワクチンに含まれる4種の株のうち,A/H3N2抗原は欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)の定める3つの評価基準をすべて満たしたものの,A/H1N1pdm09は抗体保有率のみを満たし,B型株は山形系統,ビクトリア系統ともに基準を満たさなかった.一方で重篤な副反応はみられず,安全性は確認された.
Received 22 May 2017 / Accepted 9 Apr 2018
渡邉 直昭
〒204–8585 東京都清瀬市竹丘3–1–1
国立病院機構東京病院呼吸器センター
日呼吸誌, 7(4): 197-203, 2018