投与開始から3年後に発症したアダリムマブによる薬剤性肺障害の1例
小谷内敬史a 横村 光司a 杉山 未紗a 金田 桂a 天野 雄介a 須田 隆文b
a聖隷三方原病院呼吸器センター内科
b浜松医科大学第2内科
63歳女性.関節リウマチに対しメトトレキサートとアダリムマブによる治療中に,乾性咳嗽とともに牽引性気管支拡張を伴う両側下葉のすりガラス様陰影が出現した.メトトレキサート中止後も陰影が増強したため,アダリムマブを中止したところ症状,画像所見とも改善し,投与開始から3年後に発症したアダリムマブによる薬剤性肺障害と診断した.アダリムマブ使用中に肺障害をきたした際は感染性疾患等を除外すると同時に,薬剤性肺障害も考慮すべきであり,長期使用中であっても薬剤性肺障害が起こりうることは認識しておく必要がある.
アダリムマブ 薬剤性肺障害 関節リウマチ TNF阻害薬 生物学的製剤
Received 19 Dec 2017 / Accepted 24 Jan 2018
小谷内 敬史
〒433–8558 静岡県浜松市北区三方原町3453
聖隷三方原病院呼吸器センター内科
日呼吸誌, 7(2): 114-118, 2018