Reversed halo signの多発性球形陰影を呈した放射線肺臓炎の1例
原 彩子 細井 慶太 木下 善詞 原 聡志 高田 哲男 閔 庚燁
市立伊丹病院呼吸器内科
47歳女性が乳癌の右乳房温存手術後に50Gyのリニアック照射を受けた.5ヶ月後に発熱と咳嗽が出現した.高分解能単純CT画像で両側肺に不整形浸潤陰影がみられた.ステロイドが開始され陰影は速やかに消失した.ステロイド減量中2度の陰影の再燃があった.2度目の再燃時にはreversed halo signをもつ球形陰影が出現し,病理組織で器質化肺炎であった.2ヶ月後に陰影はすべて消退した.18個の陰影は径を増大して後消失した.この症例は,放射線照射誘発器質化肺炎の消退の経過は類似していることを示唆した.
Received 29 Mar 2017 / Accepted 10 Aug 2017
連絡先:閔 庚燁
〒664–0015 兵庫県伊丹市昆陽池1–100
日呼吸誌, 6(6): 479-482, 2017