再投与によって診断されたパゾパニブによる薬剤性肺障害の1例
高原 豊 中瀬 啓介 齋藤 雅俊 水野 史朗 長内 和弘 栂 博久
金沢医科大学病院呼吸器内科
67歳男性.腎細胞癌に対しパゾパニブ内服が開始された.5ヶ月後より咳嗽,胸部単純CTにてすりガラス陰影が出現し当院に入院となり,LVFXの点滴投与とパゾパニブ中止による治療が開始された.気管支肺胞洗浄液では好酸球の上昇を認め,1週間後の胸部単純CTですりガラス陰影の改善が認められた.9ヶ月後,肺転移増悪に対しパゾパニブが再投与されたところ,その3ヶ月後にすりガラス陰影が再燃し,パゾパニブの中止のみで改善した.経過と併せ薬剤性肺炎と診断した.パゾパニブ使用において薬剤性肺障害について留意が必要である.
Received 25 Apr 2017 / Accepted 7 Aug 2017
連絡先:高原 豊
〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1-1
日呼吸誌, 6(6): 468-472, 2017