肺腺癌に対するニボルマブ投与後に潰瘍性大腸炎に類似した大腸炎を発症した1例
奥村 暢将 近藤 春香 林 修平 深津明日樹 池ノ内紀祐 原 徹
愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院呼吸器内科
症例は53歳,女性.原発性肺腺癌に対する化学療法の4次治療として免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブの投与を行った.腫瘍の病勢が悪化したためニボルマブの投与を3コースで中止したが,投与中止後15週で水様性下痢が出現し,下部消化管内視鏡検査による生検にて潰瘍性大腸炎に類似した所見を得た.メサラジンの内服により下痢は改善し,潰瘍性大腸炎に類似したニボルマブによる大腸炎の可能性が考えられた.本症例はニボルマブによる大腸炎の一型として潰瘍性大腸炎様の病態が含まれる可能性を示唆する1例である.
Received 12 May 2017 / Accepted 16 Aug 2017
連絡先:原 徹
〒446-8602 愛知県安城市安城町東広畔28
日呼吸誌, 6(6): 445-449, 2017