
血中(1→3)-β-D-グルカン値高値を伴う肺ノカルジア症の1例
小林 弘典a 島 浩一郎a 平野 晋吾a 米田 一樹a 井口 光孝b 山本 雅史a
a名古屋掖済会病院呼吸器内科
b名古屋大学医学部附属病院中央感染制御部
症例は関節リウマチ治療中の69歳男性.2013年10月に胸部腫瘤様陰影で当科紹介され気管支鏡検査を行うも確定診断に至らず,11月初旬に発熱と胸部陰影の悪化あり精査加療目的に入院.CTガイド下経皮肺生検により肺ノカルジア症と診断,治療するも永眠された.治療前の検査で血中(1→3)-β-D-グルカン(βDG)値高値を認め各種検査を行うも深在性真菌感染症を疑う所見は認められず,肺ノカルジア症により血中βDG値が上昇していた可能性が考えられた.
肺ノカルジア症 (1→3)-β-D-グルカン ノカルジア・ベイジンゲンシス
Received 12 May 2017 / Accepted 16 Aug 2017
連絡先:小林 弘典
〒454–8502 愛知県名古屋市中川区松年町4–66
日呼吸誌, 6(6): 436-440, 2017