リポソーマルアムホテリシンBで改善したスエヒロタケ肺結節の1例
川合 祥子a,b 山本 美暁a 北園美弥子a 村田 研吾a 和田 曉彦a 高森 幹雄a
a東京都立多摩総合医療センター呼吸器内科
b埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
症例は59歳,女性.骨髄異形成症候群に対して臍帯血移植を施行目的に多摩総合医療センターへ入院した.入院2ヶ月後の単純CTで右上葉の結節陰影を認め,喀痰培養よりスエヒロタケが検出された.スエヒロタケの血清IgG抗体も陽性であり,スエヒロタケによる肺結節影と診断しリポソーマルアムホテリシンBにて軽快した.本症例を含めスエヒロタケによる肺感染は7例報告されている.免疫抑制者においてはスエヒロタケも肺結節影の鑑別診断に挙げられる.今後症例の集積が望まれる.
スエヒロタケ リポソーマルアムホテリシンB 骨髄異形成症候群 臍帯血移植
Received 18 Aug 2016 / Accepted 20 Jan 2017
連絡先:高森 幹雄
〒183-8524 東京都府中市武蔵台2-8-29
東京都立多摩総合医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 6(3): 165-169, 2017