
間質性肺疾患が疑われた重症呼吸不全に対して体外式膜型人工肺を使用し救命できた1例
片平 雄之 濵田 直樹 山本 悠造 緒方 彩子 松元幸一郎 中西 洋一
九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設
症例は46歳,男性.肺炎の診断で前医入院となり,各種抗菌薬を投与されたが,呼吸状態悪化し当院転院となった.第1病日にPaO2/FiO2比60未満となり,体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)を導入した.入院後の検査でリウマトイド因子,抗CCP抗体が陽性であった.2回のステロイドパルス,シクロホスファミド間欠静注療法で呼吸状態は改善し,第13病日にECMOを離脱した.間質性肺疾患はECMO の適応となるかどうかの判断が難しい.今回,ECMOを導入し救命できた症例を経験した.
Received 29 Jan 2016 / Accepted 29 Aug 2016
連絡先:片平 雄之
〒812-8582 福岡県福岡市東区馬出3-1-1
九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設
日呼吸誌, 6(1): 43-48, 2017