
トライアスロン競技中に発症した運動誘発性肺胞出血の1例
a社会医療法人製鉄記念室蘭病院
bNTT東日本札幌病院呼吸器内科
c札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座
症例は44歳,男性.トライアスロンの水泳区間中に血痰を自覚した.その後,呼吸困難も出現し,当院搬送となった.胸部造影CTでは気道周囲に広がるすりガラス陰影と浸潤影および粒状影を認めた.気管支鏡検査では,局所からの出血を示唆する所見はなく,気管支肺胞洗浄液が血性であったため,びまん性肺胞出血と診断した.問診内容と臨床経過・各種検査結果から,トライアスロンによる運動負荷を起因とした運動誘発性肺胞出血と診断した.
Received 20 May 2016 / Accepted 18 Oct 2016
連絡先:加藤 宏治
〒060-0061 北海道札幌市中央区南1条西15丁目
社会医療法人製鉄記念室蘭病院
日呼吸誌, 6(1): 27-31, 2017