
原疾患の治療がTrousseau症候群に奏効した肺腺癌の2例
藤田 純一 蔵本 健矢 嶋田 貴文 藤原 啓司 望月 芙美 石川 博一
筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
進行癌に合併することが多いTrousseau症候群は予後不良とされている.今回我々は,肺腺癌加療でTrousseau症候群による過凝固状態が改善した2例を経験したので報告する.症例1は69歳の男性.肺腺癌再発時に血栓症を併発しTrousseau症候群と診断した.EGFR遺伝子変異陽性のためゲフィチニブを開始し過凝固状態は改善した.症例2は52歳の女性.血栓症にて発症しTrousseau症候群を合併した肺腺癌と診断した.カルボプラチン,ペメトレキセド併用化学療法にて過凝固状態は改善した.
Received 15 Jun 2016 / Accepted 21 Sep 2016
連絡先:藤田 純一
〒305-8558 茨城県つくば市天久保1-3-1
筑波メディカルセンター病院呼吸器内科
日呼吸誌, 6(1): 13-17, 2017